#060

論破せずに、終わらせる。

2026秋 | THOUGHT

勝たずに終わらせること。

揉め事が起きたとき、

契約書を出して、
条文を示して、
理詰めで詰める。

こっちが正しければ、たぶん勝てます。

でも、それで仕事が終わるとは限らない。

なぜなら相手はもう、

理屈ではなく、感情に固執していることがあるから。

そんな相手に正論を重ねても、

逃げ道がなくなるだけ。

逃げ道を塞がれたヒトは、
正しい方へ進むとは限りません。

むしろ、

間違っていると分かっていても、引けなくなる。

だから僕は、

勝てる材料を全部持っていても、使わないことがあります。

契約書も出さない。
書面も出さない。
論破もしない。

その代わり、

落とし所という「出口」をつくる。

ここなら双方が納得できる。

ここからなら相手も引き返せる。

そして何より、

相手の面子を潰さずに済む。

出口を用意したら、

そこへ少しずつ誘導していく。

「あなたが間違っていましたね。」

なんて確認する必要もない。

目的は、

どちらが正しかったかを確定することではなく、問題を終わらせることだから。

論破できるのに、論破しない。

契約書を盾にできるのに、盾にしない。

たぶん交渉で難しいのは、

相手を追い詰めることじゃない。

相手が自分で歩いて出られる出口を、こちらが先につくっておくこと。

勝ち負けなんて、どうでもいい。

**ちゃんと終われば、いい。

シンスズキ|事業家・経営参謀
ワンスインアライフタイム株式会社のオーナーでもあり、飲食、宿泊、不動産、建築など、いくつかの事業に人生をかけて取り組んでいます。ときどき、他社の経営にも首を突っ込みます。