好き勝手に飲み食いしているようで、案外ちゃんと仕事をしている。
僕は、
普段ほとんど店にいません。
それでも、
できるだけ自分の店で食事をします。
酒も飲む。
理由は二つ。
一つは、
自分の店の今を知りたいから。
もう一つは、
もっと単純で、
普通にうまいからです。
オーナーが店に来ると、
多少は店も構えます。
「シンさん来た。」
となる。
まあ、
気持ちは分かる。
(笑)
でも、
付け焼き刃のお化粧は、
だいたい筒抜けです。
現場に毎日いると、
少しずつの汚れや雑さが日常になって、
見えなくなることがあります。
だから、
たまに外から入ってくる目も必要です。
そして僕は、
店が忙しくても、
あえて普通のお客様に混じって食事をします。
現場からしたら、
「お前もなんか手伝えよ。」
と思っているかもしれない。
(笑)
新人のアルバイトさんなら、
「忙しいのに、この人だけ美味しそうなもの食べてるな。」
くらいに思っているでしょう。
実際、
うまい。
(笑)
でも、
ただ食べているわけでもありません。
料理を待つ。
食べる。
酒を頼む。
周りを見る。
料理はいつも通りか。
温度はどうか。
提供時間はどうか。
グラスが空いた。
誰か気づくかな。
周りのお客様は楽しそうか。
スタッフは周りが見えているか。
特に忙しい時ほど、
いろいろなものが見えます。
ただ、
気づいたことを全部現場に言うわけではありません。
料理については、
料理長にかなり率直に伝えます。
でも、
サービスや掃除、店の空気については、
気づいたことが100あっても、言うのは1くらい。
残りの99は、だいたい黙っています(笑)
食べる。
見る。
気づく。
そして、
だいたい黙っている。
僕は、
普通に自分の店が好きです。
うなぎが食べたい。
肉が食べたい。
和食が食べたい。
近隣で考えれば、
普通に自分の店を選びます。
それくらいの商品を出しているつもりだし、
そうでなければ困る。
飲食店は最後には、
一人のお客様が食べて、どう感じたか。
そこへ戻る。
だから僕も、
客席に座ります。
食べる。
飲む。
待つ。
見る。
そして自分に訊く。
今日、この店に来て良かったか。
YESなら、
普通に嬉しい。
NOなら、
どこかがおかしい。
現状把握が半分。
純粋に食べたい気持ちも半分。
周りから見れば、
忙しい店でオーナーが酒を飲んで、
うまそうなものを食べている。
まあ、
そう見えるのも仕方ない。
(笑)
好き勝手に飲み食いしているようで、
案外ちゃんと仕事をしている。
僕が自分の店で食べる理由は、
そんなところです。
