#024

可能性のある土地は、三日で掘り尽くす。

2026秋 | THOUGHT

思いつくのは一瞬。確信するまで、徹底的に掘る。

思いつくのは一瞬。確信するまで、徹底的に掘る。

土地を見た瞬間に、
「ここ、こうしたらいい。」
と思うことがあります。
というか、
かなりの確率で思いつく。
そして散々調べ尽くした挙句、
八割方、
最初の思いつきに戻ってくる。
(笑)
でも、
その間が僕には必要です。

思いつくのは一瞬。
確信するまで、徹底的に掘る。

可能性があると思った土地は、
とにかく見る。

陸から見る。
海から見る。
崖の上なら下へ降りる。
山なら裾野まで行く。
そして案の定、
戻るのに一苦労する。

川があれば向こう岸へ渡る。
湧水があれば採取する。
水質検査にも出す。

土が気になれば、
スコップを買って本当に掘る。
どんな土なのか。
壁に使えないか、器にできないか。
そこまで考える。

近隣も歩く。
朝。
昼。
夕方。
深夜。暗闇の猪の呼吸音はマジ怖っす。

近所の人にも話を訊く。
僕は本来そんなに社交的ではないのに、
ここぞという時だけ人格が変わる。
(笑)
土地の歴史。
昔の使われ方。
水。
風。
今抱えている課題。
登記簿にも地図にも載っていない情報が、
人の記憶に残っていることがあります。
僕が知りたいのは、
面積や用途地域だけではありません。

この場所はいったい何者なのか。

何が美しい。
何が弱い。
何がここにしかない。
そこまで知りたい。
そして僕の調査は、
超短い。
一般的に一か月かけて調べることを、
三日でやる。

ダメかもしれないものに長く時間は使えない。
朝から深夜まで、
一気に掘る。
たまに僕が行方不明扱いされている時は、
だいたいこの三日間です。
(笑)

面白いのは、
そこまで調べた最後に、
最初の、
「ここ、こうしたらいい。」
へ戻ることが多いこと。

でも、
同じ答えでも意味が違う。

最初は、
直感。

最後は、
確信。

そこから数字、法規、建築、運営にぶつけて、
事業へ変えていく。
僕が言う、
「強い事業をつくってから、美しい建築をつくる。」
とは、そういうことです。

美しい建築をつくりたいからこそ、
その建築が生き続けられる、
強い事業をつくりたい。
現地へ行く。
歩く。
登る。
降りる。
渡る。
掘る。
採る。
訊く。
調べる。
そして最後に、
「やっぱり最初のでいい。」
となる。
だったら最初からそれでいいじゃないか、
とも思う。
(笑)
でも、
直感だけで人のお金は使えない。
思いつくのは一瞬。
確信するまで、
徹底的に掘る。
たぶん、
それが僕の事業開発のやり方です。

シンスズキ|事業家・経営参謀
ワンスインアライフタイム株式会社のオーナーでもあり、飲食、宿泊、不動産、建築など、いくつかの事業に人生をかけて取り組んでいます。ときどき、他社の経営にも首を突っ込みます。