周りに人はいる。でも、経営の本当のところを話せる相手は少ない。
経営者には、
相談相手がたくさんいるように見えます。
税理士。
銀行。
弁護士。
コンサルタント。
社員。
取引先。
家族。
でも、
経営について本当のところを話せる相手は、意外と少ない。
税金なら税理士。
契約なら弁護士。
融資なら銀行。
それぞれ専門家がいます。
でも、
経営の問題はそんなに綺麗に分かれていません。
売上が悪い。
人も辞めそう。
返済もある。
新しいこともやりたい。
幹部との関係もうまくいっていない。
さて、
これは誰に相談するんだろう。
経営者を長くやってきて、
もう一つ感じることがあります。
少し乱暴な言い方をすれば、
大方の専門家にとって、
最後は余所の会社のことです。
極端に言えば、
99%は他人事。
これは悪口ではありません。
仕方がないことです。
僕の会社がどうなろうと、
最後まで僕と同じ痛みを背負うことはできない。
だから僕は、
専門家から正しい答えだけを聞きたいわけではありません。
自分ごとの言葉を訊きたい。
「一般的にはこうです」
ではなく、
「僕だったら、こうする。」
「シンさん、それでも僕ならやります。」
あるいは、
「僕なら、もうやめます。」
そこまで聞きたい。
もちろん、
完全に自分ごとになれるとは思っていません。
借金を代わりに背負うわけでもない。
最後の責任を取るのは経営者です。
でも、
どこまで自分ごととして考えようとするか。
そこには大きな差があります。
面談の一時間だけ考える人と、
翌朝、
「あれ、こうしたらどうだろう」
と連絡してくる人は違う。
僕が欲しいのは、
後者です。
そして、
僕も後者でありたい。
だから僕は、
経営参謀を先生だとは思っていません。
経営者の代わりに決める人でもない。
経営者の隣に座る人。
「それ、本当ですか?」
「僕なら違うと思います。」
「それは、やった方がいい。」
そう言いながら、
一緒に考える。
最後に決めるのは、
経営者やオーナーです。
僕は、
「日本から経営孤児をなくす」
という言葉を使っています。
友達がいないという意味ではありません。
周りにはたくさん人がいる。
相談できる専門家もいる。
社員もいる。
それでも、
経営の本当のところを話せる相手がいない。
僕が言う経営孤児とは、
そういう状態です。
僕自身も、
まだ経営の途中にいます。
普通に間違える。
失敗もする。
だから、
先生になるつもりはありません。
ただ、
店をつくり、
人を雇い、
借金をし、
投資をし、
失敗して、
立て直して、
また新しいことを始めてきた。
その時間は持っています。
経営者は、
意外とひとりです。
でも、
ひとりで経営しなければならないわけではない。
どうせ話すなら、
一般論ではなく、
「僕だったら」
と、自分ごとの言葉を返してくれる人と話したい。
僕も、
そんな相手でありたいと思っています。
