僕自身は、新しいことを始める時、
かなり楽観的だ。
できると思っているからやる。
でも同時に、
うまくいかなかったら、どうする?
をかなり考える。
悲観的だからではない。
始めてしまった後で、
「そんなはずじゃなかった」
と言いたくないからだ。
——
僕は基本的に、
新しい事業については、
かなりポジティブに考える。
いい土地を見る。
面白い建物を見る。
新しい事業の相談を受ける。
誰かから、
「こんなことできませんか」
と言われる。
すると、
できない理由より、
どうやったらできるかを先に考える。
たぶん、これは昔から変わらない。
これをやろう。
あれもできる。
ここまでやった方がいい。
もっと良くできる。
僕の頭の中では、
どんどん先まで進んでいく。
でも、
その裏側では、
かなり違うことも考えている。
もし、売れなかったら?
もし、人が集まらなかったら?
もし、僕の読みが外れたら?
新しい事業を考える時、
この二人が僕の頭の中に同時にいる。
一人は、
「絶対できるだろう」
と言っている。
もう一人は、
「で、ダメだったらどうする?」
と言っている。
どちらも僕だ。
商売をしていれば、
想定外なんていくらでも起きる。
だから、
自分の予測が間違っている可能性を、
最初から入れておく。
僕は自分の事業について、
基本的には自信を持っている。
自信がなければ、
自分のお金も時間も使えない。
でも、
自信があることと、
自分が絶対に正しいと思うことは違う。
僕だって、
読みを外す。
普通に間違える。
だったら、
間違えない経営者になろうとするより、
間違えても致命傷にならないようにしておく。
その方が現実的だと思っている。
例えば建築。
僕は建築もインテリアも大好きだから、
放っておけば、
いくらでもやりたくなる。
いい石を使いたい。
いい木を使いたい。
家具も妥協したくない。
照明も気になる。
でも、
事業として建築する以上、
好きだから全部やる、
では済まない。
その一千万円を追加したら、
商品価値はいくら上がるのか。
客単価は変わるのか。
稼働率に効くのか。
競争力になるのか。
それとも、
単に僕が気持ちいいだけなのか。
そこは分けなければならない。
全部安くするのではない。
全部豪華にするのでもない。
勝つために必要なところへ、
お金を使う。
そして、
何か起きた時に動ける余力を残しておく。
僕は、
「ダメなら撤退すればいいじゃない」
と簡単に言うのも好きではない。
撤退にも、
お金がかかるからだ。
事業は、
始める時より、
やめる時の方が難しいことさえある。
だから、
ダメならやめる。
だけではなく、
ダメだった時に、
何を変えられるか。
そこまで最初に考えておく。
値段を変えられるか。
売り方を変えられるか。
運営方法を変えられるか。
規模を変えられるか。
途中で形を変えられる余地を、
残しておきたい。
僕は、
最初から完璧な事業計画をつくろうとは思っていない。
そんなもの、
たぶん存在しない。
僕がつくりたいのは、
間違えた時に修正できる事業計画だ。
成功すると思っている。
でも、
外れるかもしれないとも思っている。
その時、
次の手は何なのか。
そこまで考えている経営者の方が、
僕なら信用する。
リスクを語ることは、
弱気ではない。
リスクを知らないことの方が怖い。
僕は、
新しいことをやる時、
成功するつもりで始める。
これは絶対だ。
最初から失敗すると思って、
事業を始めることなんてない。
始めた事業には責任を持つ。
だから、
うまくいく時だけではなく、
うまくいかなかった時まで考える。
それが、
プロとして事業を始めるということだと思っている。
