#011

うまいものが食べたい。

2026夏 | THOUGHT

和食、イタリアン、松阪牛、うなぎ、焼肉。

一見すると、ずいぶんバラバラな会社に見える。

でも僕の中では、全部ひとつの同じ理由から始まっている。

うまいものが食べたい。

——

うちの会社には、五つの飲食店がある。

和食。
イタリアン。
松阪牛。
うなぎ。
焼肉。

「何屋の会社なんですか」

と聞かれたら、確かに説明しづらい。

でも、僕の中では別にバラバラではない。

昔から、ものすごく太い一本の軸がある。

うまいものが食べたい。

うまい魚が食べたい。
うまい肉が食べたい。
うまい鰻が食べたい。
うまいナポリピッツァが食べたい。

だったら、そういう店をつくればいい。

僕らの飲食店は、だいたいそこから始まっている。

「人の大切な時間をつくる」

という言い方もできる。

家族で食事をする。
友人と久しぶりに会う。
誕生日を祝う。
大切な人を連れていく。

飲食店は、人の大切な時間を預かる場所だ。

でも、それは僕にとって結果であって、出発点ではない。

出発点は、もっと単純だ。

自分が食べたい。

そして、どうせうまいものを食べるなら、

気持ちのいい場所で食べたい。

汚い店より、綺麗な店がいい。

居心地の悪い椅子より、気持ちよく座れる椅子がいい。

変な照明の下で食べるより、料理がちゃんとうまそうに見える明かりがいい。

気の利かない接客より、

「あ、この人分かってるな」

と思える人にサービスしてもらいたい。

別に高級である必要はない。

豪華である必要もない。

まず、うまい。

そのうえで、

気持ちがいい。
居心地がいい。
親切だ。
値段にも納得できる。
また来たいと思える。

僕が欲しい店は、そういう店だ。

だから五つの店は、料理のジャンルこそ違うけれど、やっていることは同じだ。

料理も違う。
店の形も違う。
客単価も違う。

でも、

自分たちが本当にうまいと思えるものを、気持ちのいい店で出す。

会社として統一されていないように見えても、

僕の中では、ずっと同じだ。

うまいものが食べたい。

結局、僕らの飲食事業は、

そこから始まっている。

シンスズキ|事業家・経営参謀
ワンスインアライフタイム株式会社のオーナーでもあり、飲食、宿泊、不動産、建築など、いくつかの事業に人生をかけて取り組んでいます。ときどき、他社の経営にも首を突っ込みます。