最初は、
ここにも寿ゞきんがあったらいい。
鈴喜があったらいい。
という単純な話だった。
でも考え続けているうちに、僕らがつくりたいものは単なる店舗展開とは少し違うものになってきた。
——
ここまで考えてきて、暖簾分けというものに対する僕の考えも変わってきた。
最初は店を増やしたかった。
でも今は、
店舗数を増やすこと自体が目的ではない。
と思っている。
それぞれに自分の商売を持った店主がいる。
会社も違う。
経営者も違う。
それでも同じ暖簾でつながっている。
守るべき味や品質がある。
大切にする考え方がある。
技術を共有する。
新しい発見も共有する。
困った時には助け合う。
本店から分店へ一方的に何かを与えるだけではなく、分店から本店へ返ってくるものもある。
僕が描いているのは、そんな関係だ。
だから、フランチャイズという仕組みを否定するつもりもない。
ブランドやノウハウを効率よく広げる、よくできた仕組みだと思う。
ただ、僕らがつくりたいものは少し違う。
本部が上にいて、その下に加盟店がずらっと並んでいる。
僕は、あまりそんな絵を描いていない。
独立した商売人たちが、同じ暖簾で横につながっている。
その中心にショックアブソーバーとして僕がいる。
本店も良くなる。
分店も良くなる。
店主も成長する。
そこで働く人も成長する。
そして、暖簾そのものが少しずつ強くなる。
もちろん、そんなに綺麗なことばかりではないだろう。
まだ始めてもいない。
分からないことだらけだ。
それでも、目指したい景色は見えている。
僕らが増やしたいのは、店舗数ではない。
同じ暖簾の仲間だ。
その結果として、店が増えていく。
僕らには、そのくらいの順番がちょうどいい。
