圧倒的な一つと、僅差の積み重ね。
飲食店をやっていて、
一番難しいことの一つが、
もう一度来てもらうこと。
だと思っています。
美味しかった。
楽しかった。
また来ます。
そこまではいける。
でも、
本当にまた来てもらえるかは別の話です。
再来店の理由って、
何なんだろう。
圧倒的な差が、
明確な動機になることはあります。
あれが食べたい。
他では食べられない。
圧倒的にうまい。
あの人に会いたい。
あの景色をもう一度見たい。
そこまで強ければ、
多少遠くても、高くても、
人はまた来てくれる。
でも、
全部の店がそんな一撃を持てるわけではありません。
むしろ、
僅差の積み重ねが、再来店の理由になることも多い。
料理がちゃんとうまい。
店がきれい。
感じがいい。
値段にも納得する。
予約しやすい。
帰る時も気持ちいい。
一つ一つは、
大した差ではないかもしれない。
でも、
その小さな差が重なると、
次に食事へ行こうと思った時、
「あそこにしようか。」
となる。
本人だって、
理由をうまく説明できないかもしれない。
「なんとなく好き。」
でも、
その「なんとなく」の中には、
店が積み重ねた僅差がたくさん入っています。
逆も同じです。
料理は美味しい。
でも、
ちょっと感じが悪かった。
少し汚れていた。
帰る時、誰もこちらを見なかった。
一個なら小さい。
でも積み重なると、
「悪くなかったけど、別の店でもいいか。」
になる。
これが怖い。
クレームなら、
理由を教えてくれます。
一番分からないのは、
何も言わず普通に帰って、
二度と来ないお客様。
だから、
圧倒的な一つを磨く。
同時に、
小さなマイナスを減らして、
小さなプラスを積み重ねる。
結局、
両方やるしかない。
「また来たい。」
その理由を、
店側が一つに決めることはできません。
でも、
次にこの店を選ぶ理由を、一つでも多く残すことはできる。
飲食って、
ムヅカシイよ。
マジで。
