#036

「また来たい」の理由は、たぶん一つじゃない。

2026秋 | THOUGHT

圧倒的な一つと、僅差の積み重ね。

飲食店をやっていて、

一番難しいことの一つが、

もう一度来てもらうこと。

だと思っています。

美味しかった。

楽しかった。

また来ます。

そこまではいける。

でも、

本当にまた来てもらえるかは別の話です。

再来店の理由って、

何なんだろう。

圧倒的な差が、

明確な動機になることはあります。

あれが食べたい。

他では食べられない。

圧倒的にうまい。

あの人に会いたい。

あの景色をもう一度見たい。

そこまで強ければ、

多少遠くても、高くても、

人はまた来てくれる。

でも、

全部の店がそんな一撃を持てるわけではありません。

むしろ、

僅差の積み重ねが、再来店の理由になることも多い。

料理がちゃんとうまい。

店がきれい。

感じがいい。

値段にも納得する。

予約しやすい。

帰る時も気持ちいい。

一つ一つは、

大した差ではないかもしれない。

でも、

その小さな差が重なると、

次に食事へ行こうと思った時、

「あそこにしようか。」

となる。

本人だって、

理由をうまく説明できないかもしれない。

「なんとなく好き。」

でも、

その「なんとなく」の中には、

店が積み重ねた僅差がたくさん入っています。

逆も同じです。

料理は美味しい。

でも、

ちょっと感じが悪かった。

少し汚れていた。

帰る時、誰もこちらを見なかった。

一個なら小さい。

でも積み重なると、

「悪くなかったけど、別の店でもいいか。」

になる。

これが怖い。

クレームなら、

理由を教えてくれます。

一番分からないのは、

何も言わず普通に帰って、

二度と来ないお客様。

だから、

圧倒的な一つを磨く。

同時に、

小さなマイナスを減らして、

小さなプラスを積み重ねる。

結局、

両方やるしかない。

「また来たい。」

その理由を、

店側が一つに決めることはできません。

でも、

次にこの店を選ぶ理由を、一つでも多く残すことはできる。

飲食って、

ムヅカシイよ。

マジで。

シンスズキ|事業家・経営参謀
ワンスインアライフタイム株式会社のオーナーでもあり、飲食、宿泊、不動産、建築など、いくつかの事業に人生をかけて取り組んでいます。ときどき、他社の経営にも首を突っ込みます。