VEは、安くする作業ではない。お金を使う場所を研ぎ澄ます作業だ。
新しい事業を考える時、
当然、投資額はできるだけ抑えたい。
でも僕が一番怖いのは、
お金を使いすぎることではありません。
ビビって無理くりVEして、
結果、しょぼいものをつくって負けること。
だったら、
最初からやらない方がいい。
事業計画をつくれば、
1億円を8,000万円にできないか。
5,000万円ではどうか。
僕も、かなり細かく削ります。
でも、
削れば削るほど、いい事業になるわけではない。
宿なら、
素晴らしい景色があるのに窓を小さくする。
露天風呂が商品の核なのに、
そこで予算を削る。
飲食店なら、
厨房を削りすぎて、
料理やオペレーションに無理が出る。
それで1,000万円削れても、
肝心の商品が弱くなったら本末転倒です。
失敗しないために削ったことが、
失敗する理由になっている。
これだけは避けたい。
だから僕は、
全部を均等に削るようなVEは好きではありません。
最初に決めるのは、
この事業は、何で勝つのか。
景色で勝つなら、
景色には張る。
温泉で勝つなら、
風呂には張る。
料理で勝つなら、
厨房や食材には張る。
その代わり、
お客様が価値を感じないところは、
思い切って抜く。
張るところは張る。
抜くところは抜く。
僕にとってVEは、
安くする作業ではなく、
お金を使う場所を研ぎ澄ます作業です。
全部を70点にする必要もない。
商品の核が圧倒的に強いなら、
どうでもいいところは50点でもいい。
そして、
そこまでやっても数字が合わないなら、
もう一つの選択肢があります。
やらない。
無理に小さくして、
無理に削って、
無理に成立させる必要はない。
やる。
やらない。
その間に、
「中途半端にやる」
を置きたくありません。
もちろん、
張る前には最悪のケースも考えます。
売上が届かなかったら。
工事費が上がったら。
開業が遅れたら。
どこまでなら耐えられるのか。
リスクを考えるのは、
事業を小さくするためではない。
張るべきところで、ちゃんと張るためです。
その事業は何で勝つのか。
そこにはいくら必要なのか。
どこなら抜いても商品価値は落ちないのか。
張るところは張る。
抜くところは抜く。
それでも勝てないなら、やらない。
中途半端な投資で、
中途半端なものをつくって負ける。
それが、
一番もったいないと思っています。
