答えを渡す人ではない。一緒に問いを見つける人。
経営者になると、
「どうしますか」
と聞かれることが増えます。
採用をどうする。
値段をどうする。
この店を続けるのか。
新しい事業をやるのか。
投資するのか。
撤退するのか。
最後には、
「シンさん、どうします?」
がやってくる。
決めるのが経営者の仕事だから、
当たり前です。
でも、
経営者だから何でも答えを持っている、
なんてことは全然ありません。
むしろ、
難しい問題ほど、
最初から答えなんて分からない。
僕自身、
悩んでいる時に、
誰かから答えを教えてほしいと思うことは、
それほど多くありません。
むしろ、
話したい。
「こう思ってるんだけど、どう思う?」
と言いたい。
そして、
「なんで?」
と聞かれたい。
なぜ、その店を続けたいのか。
なぜ、その人に任せたいのか。
なぜ、その土地が欲しいのか。
なぜ、それでもやりたいのか。
人に聞かれて初めて、
「あれ、なんでだろう」
となることがあります。
逆に話しているうちに、
「ああ、僕はやっぱりこれがやりたいんだ。」
と気づくこともある。
誰かに答えをもらったわけではない。
自分で喋って、
自分で気づいただけです。
僕が経営者から相談を受ける時も、
すぐに答えを言わないことがあります。
最初に出てきた質問が、
本当の問題とは限らないからです。
「売上を増やしたい」
と言っていたけれど、
本当に困っているのは幹部との関係かもしれない。
「人が採れない」
と言っていたけれど、
採用以前に、
辞めていく理由が社内にあるかもしれない。
だから、
質問そのものを疑う。
「どうやったら売上が上がりますか?」
に答える前に、
「なぜ売上を上げたいんですか?」
から始めた方がいいこともあります。
もちろん、
僕なりの意見は言います。
むしろ、
かなり言う。
違うと思ったら違うと言う。
危ないと思ったら止める。
面白いと思ったら、
「それ、やりましょうよ。」
と言う。
でも、
最後に決めるのは経営者やオーナーです。
会社も、
お金も、
人生も、
その人のものだから。
参謀が代わりに決めてはいけない。
だから僕が思う経営参謀は、
何でも知っている先生ではありません。
答えを渡す人でもない。
一緒に問いを見つける人。
考えて、
話して、
気づいて、
最後は自分で決める。
前を歩いて、
「こっちへ来い」
と言うのでもない。
後ろから、
「頑張れ」
と言うのでもない。
隣にいて、一緒に地図を見る。
「そっち、崖じゃないですか。」
「こっちにも道がありそうですよ。」
そんなことを言いながら、
一緒に考える。
でも、
どの道を歩くかを決めるのは、
経営者やオーナーです。
僕には、
それくらいの距離がちょうどいい。
